BOOKS HIRO通信 第160号

仮想巨大図書館の一翼としてのPASSAGE
hiro 2025.08.08
誰でも

(1)みなさまこんばんは

PASSAGEのお手伝いを始めたころ休憩時間に近所のK書店のガレージセールに行き、池澤夏樹の『海図と航海日誌』の古本を手に入れた。その一節に「自分の本棚と世間一般の本棚の区別をせず、古書店や図書館や知人の棚まで含めて、本を巡る環境の全体を一つの図書館だと思えばいい」とあるのに気づいた。至言であると思う。仮想的な巨大図書館のなかに私は取り込まれている、と考えるのは楽しい。

PASSAGEではじめて自分の書棚を借りるとき、自分の書棚に余裕を持たせるためにすでに読んだ本を売るのが目的だと単純に考えていた。しかし実際に売るための本を選ぶのは非常に苦痛であると気づいた。良い本であればあるほどもっと手元に置いておきたくなる。しかしお金を払って買っていただくには良い本を出品したい。

この悩みを解決するのが、仮想的な巨大図書館に売り手も買い手も平等に存在し本をやり取りするという考え方だ。そこにいくばくかの金のやり取りはあるのだが、これは流通のための手数料と思えば良い。良い本は流通のための手数料のあるなしや、手数料の金額の多寡を超越した、独立した知的存在なのである。売り手も買い手も、貸し手も借り手も「自由」に良い本を流通させ、知的存在である本を読む楽しみを享受すれば良い。

このよな仮想巨大図書館の一翼を担うのがPASSAGEである。棚主としてこの意味で積極的に関与したい。

(2)現在の私の棚主ページです

SOLIDA

RIVE GAUCHE

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また来週。

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