BOOKS HIRO通信 第114号
(1)みなさまおはようございます。昨日の日記です。
9月20日(金曜日)晴れ、蒸し暑い
ALL REVIEWS友の会の執筆研究部の9月例会の準備でデュマ原作・新庄嘉章訳『モンテ・クリスト伯』を読み直していたがぎりぎりで、読み終えました。
この物語の登場人物の中でもっとも興味深い人物は、ファリャ老神父です。獄中で、若い無実のダンテスに自分の生涯に得た知識知能を伝授し、最期に脱獄の手段を身を以て与え、巨万の遺産をダンテスに与えるのです。
神父がダンテスを教え導くための知識は、すべて神父の頭の中に入っています。投獄される前から5000冊の蔵書をひもとき、その中の150冊を選んで繰り返し読んで自家薬籠中のものとしていたのです。そして、獄中で浩瀚な歴史書の著述もしていたというからすごい。
この神父の教えを受けたおかげで、ダンテスはモンテ・クリスト伯となり、自分を陥れた人物たちに復讐をとげる。復讐といっても単に肉体的な危害を加えるのではなく、相手がその後もとっていた悪辣な行動を白日に表し、自分から破滅に向かうようにさせるのです。
ファリャ神父の話に戻ります。蔵書5000冊というのが羨ましい。19世紀当初の数字ですから、今のかなりの規模の図書館に匹敵すると思います。そのなかから、150冊を自分のために選書していたわけです。選書された本の内容は彼やダンテスにとって大きな力となったわけです。
5000冊に目を通し、150冊を選び、身近において読むという行為は、読書家として模範とすべき行為と思います。今後はぜひ、このような形(?)で読書を進めたいと考えます。
夜、就寝前に『100分de名著142「ウェイリー版・源氏物語」』の3回目を再放送の録画で視聴しました。「あはれ」の解釈が興味深い回でした。予告を見ると、なんと次回は毬矢まりえさんと森山恵さんが出演なさるのですね、必ず観ます。楽しみです。
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