BOOKS HIRO通信 第130号

PASSAGE、RIVE GAUCHE、SOLIDAで面白い本を入手する至福の一週間
hiro 2025.01.10
誰でも

(1)みなさまこんばんは

PASSAGEの「とみきち屋」さんから購入した『書籍修繕という仕事』(ジェヨン著 牧野美加訳 原書房)を読みました。持ち主たちのリクエストに応じて書籍の修繕を請け負って行うという珍しい仕事のレポートです。

修繕と一言でいってもその内容は実にさまざま。それだけ、本は複雑繊細かつ多様な構造であることにおどろきます。そして本は長く愛読していると、その状態は持ち主そのものを表してしまう、あるいは傷んでいたとしてもそれは持ち主にとっては本への愛着を増すことになるということが感じ取れました。古い、汚れている、破損している本だからこそ愛情が湧くのです。

これは自分の実感としてもそうで、客観的にみると悪い状態の本でも、自分にはそう見えないですし、かえってそんな本のほうが「自分のもの」という気がしてくるものです。

したがって、修繕ということは、単に本の状態を良くするのではなく、持ち主の意向に沿ってなおかつ持ち主の読書スタイルに合わせたかたちで行う必要があると、ジェヨンさんは言います。一冊の本がこうして蘇るには数ヶ月かかるのが普通なのだそうです。その間、本の持ち主とジェヨンさんの対話が続きます。これは素晴らしいことです。読書経験が伝わる新しいチャンネル。

これを読んだあと、急に思い出して取り出したのが出版と同時(1975年)に買った『モロッコ革の本』(栃折久美子 筑摩書房)です。さわりだけを少し読もうと思ったのですが、一気に全部読み直してしまいました。「ルリユール」が前より身近に感じられました。

調子に乗って、昨日RIVE GAUCHE勤務の帰りがけに「袖珍堂-ink&binding」さんの棚から『西洋の書物工房』(貴田庄著 朝日新聞出版)を購入し、今日の勤務の行き帰りに半分ほど読みました。これも面白い。次はこの中に引用されている壽岳文章の著書たちを読むつもりです。

なお、「袖珍堂-ink&binding」さんには『古代アレクサンドリア図書館』もあります。これも欲しいです。次回買います。

そして、懲りない私は今日のSOLIDA勤務の帰りがけに『索引 〜の歴史 書物史を変えた大発明』(デニス・ダンカン著 小野木明恵訳 光文社)も買ってしまいました。「北烏山編集室」さんの棚から購入しました。北烏山編集室の津田正さんが「編集協力」をされている本です。素敵に面白そう。積読にはしたくないのですが、徹夜で読まないと間に合いません。

ではこれから読書再開します。

(2)現在の私の棚主ページです

SOLIDA

RIVE GAUCHE

来週の予定。日曜日と水曜日はRIVE GAUCHE、月曜日はSOLIDAで勤務です。

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