BOOKS HIRO通信 第103号

高遠弘美先生の新刊『楽しみと日々 壺中天書架記』を読みはじめました
hiro 2024.06.28
誰でも

(1)みなさまこんばんは

昨日、待ちに待った高遠弘美先生の『楽しみと日々 壺中天書架記』(法政大学出版局)を入手し、早速ページをめくりはじめました。山元伸子さんが手掛けた装訂が見事です。美しい造本にも心を惹かれながら読み進めることができる900ページ近い大部のエッセイ集です。

まず読んでみたのは、526ページ目からの「壺中の天を求めて」です。川端康成の『古都』で取り上げられていた「壺中天」というテーマは、コンピュータのプログラミングと通じるものがあると、学生時代から興味を持っていたため、どうしても気になってしまったのです。

「壺中の天を求めて」には、中村真一郎や木村兼葭堂、薄田泣菫、ロレンス、福永武彦、植草甚一、アーサー=ウェイリー、堀辰雄、吉田健一といった、お気に入りの人たちが取り上げられています。それぞれの作品や人生についての洞察を読むのが楽しくて時を忘れました。

さらに、フィッツジェラルド訳の『ルバイヤート』も登場しそのあと、トゥーサン版の『ルバイヤート』の高遠弘美先生の翻訳を出版するという当時のプロジェクトの話も出てきます。この箇所を読んで、今年の春に国書刊行会から出版されたトゥーサン版の『ルバイヤート』をまた引っ張り出して読み直してしまいました。何度読んでも素晴らしい。特にルビの使い方が秀逸です。

こんな感じなので、900ページを読み終えるには時間がかかりそうですが、その一ページ一ページを読むことがまさに「楽しみと日々」になりそうです。読むたびに新しい視点や感動を与えてくれそうな、このエッセイ集を手に取るたびに幸せな時間が訪れるでしょう。ゆっくりと楽しみながら、高遠弘美先生の導きのもとに、読書による心の旅を続けていこうと思います。

この『楽しみと日々 壺中天書架記』はPASSAGEの高遠弘美先生の書棚で、入荷のたびにすぐ売り切れているようです。手に取ってみると頷けることです。

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