BOOKS HIRO 通信 第148号

『藤田嗣治 「異邦人」の生涯』(近藤史人著 講談社文庫)を読みました
hiro 2025.05.17
誰でも

(1)みなさまこんにちは

PASSAGE RIVE GAUCHEの書棚「ここみち書店bigarré」さんで5月13日に『藤田嗣治 「異邦人」の生涯』を購入しました。


中心テーマの藤田嗣治 の「異邦人」的生涯とはなにかを、わかりやすく語っていて、ほぼ一気読みできました。

「今までの日本人画家は、パリに勉強しにきただけだ。俺は、パリで一流と認められるような仕事をしたい」という藤田嗣治の言葉が、本書の78ページに引用されています。世界的な画家を目指す藤田嗣治にとって、日本という枠は小さすぎるとして、国籍などは問題にされなかったと筆者は言いたいのだろうと思います。戦争画を描いた責任を一人で被らされたため、幻滅・失望してパリに戻ったという挿話はわかりやすいのですが、藤田嗣治の意識ではそんなことは、大きい問題ではない、大きい問題は世界が認め、称賛されるような絵を描くことだったのです。

もっとマイルドな形ですが、辻邦生が晩年近くにパリで「仕事」をしたいと、日本文化を学生に教えていたのを思い起こさせます。良い「仕事」をしないと世界クラスにはなれません。

藤田嗣治は自分の考えを積極的に人に言うタイプではなかったようです。晩年になって、見ず知らずの日本の「青年」が懸命に書いた評伝を向こう見ずに送った「藤田嗣治論」を、なんと添削してくれ追記までしてくれた、これがまとまって『藤田嗣治芸術試論』になりました。この話は本書を読むまで知りませんでした。

そこで、『藤田嗣治芸術試論』を検索してみたら、きちんとヒットしました。2004年に出たこの本を「日本の古本屋」の手を借りて探し。何件か在庫を見つけました。大阪の「槇尾古書店」さんから、リーズナブルな価格で求めることができました。

今日、こちらの本が届きました。確かにレオナルド藤田の「藤田嗣治直話」が随所に散りばめてあります。スバラシイ。

明日から読まねばなりませんし、先週からはじめたNotebookLMによる読書計画も進めなければなりません。

「ここみち書店bigarré」の棚主さんには、ちょうど今新宿でやっている藤田の展覧会の情報もいただきました。ありがとうございます。

(2)現在の私の棚主ページです

SOLIDA

RIVE GAUCHE

***

また来週。

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