BOOKS HIRO通信 第96号
(1)みなさまこんばんは
昨夜遅くSOLIDAに出す本を探しているうちに、書棚のすみから学生時代の日記が出てきました。見ていたら、こんな一節がありました。私はスト直前の東北大学教養部(理学部物理系)の学生になったばかりでした。
「1969年4月20日土曜の2講時はロシヤ語だった。いつものように人数が多くて、立っている人も多かった。(中略)漆原先生が来て、理学部と文科系の人は、しばらくこの授業に出なくてもいい、履習カードを出していってくれと言う。」
このあと、別クラスになり漆原(隆子)先生のクラスには出られず、しかも漆原先生はご病気になられて休講が続いたこともあり、親しく謦咳にふれることは叶わなかったのが残念です。
でもなんだか懐かしくなって、漆原先生の著書または訳書を求めて、国会図書館デジタルコレクションをさがしました。
『モスクワの雪北京の月 : 女学者ひとり中ソを行く』というものが見つかりました。
送信サービスで閲覧可能(国立国会図書館内/図書館・個人送信限定)です。
漆原隆子 著『モスクワの雪北京の月 : 女学者ひとり中ソを行く』,恒文社,1967. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2984465 (参照 2024-05-10)
今朝から半日で読み終わりました。モスクワに約一年留学され、帰りに中国に寄られたときのことを書いています。率直な記述がなされており、55年前の先生のキリッとした印象が蘇りました。なにしろ、モスクワにいったばかりで、学校のカリキュラムが生ぬるいと変更を要求したという記述があるのです。
漆原先生は、米川正夫先生のお弟子さんであり、ドストエフスキー研究やトルストイ、ショーロホフの翻訳書もありました。夭折なさらなければもっと輝かしい業績をおあげになったことでしょう。とても残念です。
これから、『ドストエフスキー 長編作家としての方法と様式』というご著書を探して読んでみようと思います。トルストイやショーロホフも。
棚主をやっていると、読書生活が思わぬ方向に広がっていくのを、今回も感じました。これだからこそ、棚主はやめられません。
(2)現在の私の棚主ページです
来週の私のバイトスタッフ勤務は、日曜日、月曜日、水曜日です。いずれもPASSAGEです。
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