BOOKS HIRO通信 第205号

読書の終活には寝床読書が有効か
hiro 2026.07.04
誰でも

(1)みなさまこんにちは

体調の悪いとき、寝転んで本を読むということは若い頃にもやっていた。このごろは、その時間が増えた。場合によっては一日中。

堀辰雄の最晩年、衰弱して本を持てない作家が枕元の本の表紙を眺めるだけで我慢していたことを、配偶者の堀多恵子が書き残しているのを読んで、涙が出たのを覚えている。

自分も他人事ではないと感じるので、最後まで読書を続ける工夫を考えるようになった。堀辰雄より、私が有利なのは電子図書とインターネットそしてAIの普及のおかげだ。

物理的な本を寝ながら読むのは大変だ。文庫本を一冊だけ読みとおすぐらいはできるが、関連図書を何冊も参照しながら本を読むのはほぼ不可能だ。

携帯端末(私の場合iPad)があれば、寝床に入ったままでも、全世界のデジタル化された有料・無料の書籍にアクセスすることが可能だ。辞書も引ける。複数の本を同時に開いて参照することも、ブラウザのタブを利用するとできる。画面のサイズがもっと大きいと良いが、重さを考えるとどこかで妥協が必要。将来的にはホルダータイプのスタンドが必要だろう。

ブログに自分なりのインデックスを作ってアクセス先のURLを記入しておくと、読みたいと思った本を、寝たままで瞬時に読むことができる。さっきの堀多恵子の著書の場合はたとえばこれ。

堀多恵子 著『来し方の記・辰雄の思い出』,花曜社,1985.5. 国立国会図書館デジタルコレクション  https://dl.ndl.go.jp/pid/12462016  (実際に読むには利用者登録が必要)

私の場合、懐かしく思い出して読みたくなる本あるいはその関連本は、1980年代以前のもので、大部分は国会図書館デジタルコレクションで無料で読める。それ以降の本は、Kindleなどで入手する。これらの本は自宅の物置にあることが多いが、起きていって探すというより「発掘する」手間を考えると、寝ながら読める手段があるのは助かる。体調の良いときには、程度の良い本を発掘してPASSAGE(SOLIDA)に持っていって売るという手もある。この方法でかなり書棚の整理ができた。

ということで、読書はかなりの割合で、寝床でやることができる。将来動けなくなってもなんとか読書を続けることができそうな気がしてきた。

***

この原稿、ここまでは定期的に通っている病院の待合室でスマートフォンで書いた。混雑時にはかなり待たされる病院だが、書きながら待っていると全然苦にならない。寝床でも書くことは欠かせないが、今試しているのはiPadでの音声入力。音声入力そのものにはあまり問題ない。問題なのはURLなどのコピペ。マウスの右クリックとPCのウインドウ切り替えの組み合わせの効率にはとてもかなわない。覚悟してゆっくりやるしかない。待合室ではできないので手書き入力。

***

病院から帰ってきて、疲れたので寝ながら、本日Amazonプライムビデオでリリースされた『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を観た。原作は以前読んだが、なかなか上手にイメージ化してある。ただ、主人公と「ロッキー」のコミュニケーションの確立方法や、宇宙飛行は素人の主人公が、科学教師としての基礎的知識を活用して任務を遂行するという、「知的」な部分は原作を読んでいないと楽しめないだろう。これは、この映画のエンターテインメント性を大きく損なうものではない。映画館にはここ数年行っていない。数時間座って観ている根気がない。映画鑑賞の終活は完了している。

本日発売の村上春樹の新作『夏帆』は、明後日まで外出の予定がないので、Amazonで購入手続きしてしまった。明日届くので、寝転びながら読む。あまり重くは無さそうなので大丈夫だろう。なお、立ち読みはKindle本の試し読みですませた。でも本屋通いの終活はまだまだこれから。

夕方、なんとか起きて夕食の買い物に行き、ついでに図書館で本(島津重豪に関する本)を2冊借りてきた。図書館の本は申し出ると自宅に有料で宅配してくれる。これは将来活用できそう。

(2)現在のBOOKS HIROの棚主ページです

***

また来週。

無料で「BOOKS HIRO通信」をメールでお届けします。コンテンツを見逃さず、読者限定記事も受け取れます。

すでに登録済みの方は こちら