BOOKS HIRO通信 第209号
(1)みなさまこんにちは
立秋。でもまだまだ暑い。肩のこらないものを読みたいと、先月に買ってあった『作家と本屋』(平凡社)を読んだ。『作家とXXXX』シリーズの一冊。
表紙カバーの写真に魅せられて買ってしまったと言って良い。大岡昇平が弟の経営していた「大岡書店」の前で、兄弟が写っている。キャプションによると1958年に撮影されたという。とても雰囲気のある写真だ。
50名弱の古今の作家たちの、書店に関する随筆集だが、平凡社の編集部の方の手腕で、気持ちの良い本にしあがっていると思った。数日かけて少しずつ読んだが、とくに注意をひいたのは、自分の敬愛する方の書いたもの。
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寺田寅彦については「丸善と三越」の抜粋が掲載されている。寺田寅彦の言う「丸善というものに対する一種の憧憬」は、学生時代の私にもあった。この随筆も前から読んでいたが、あらためて読むととても懐かしい。日本橋の丸善の2階に上がっていくときのわくわくする気持ちは寺田寅彦とまったく同じ。涼しくなったら久しぶりに行ってみたい。
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植草甚一の「本の話だとすぐ古本屋歩きのことになる」は、何度読んだかしれないが、あらためて読んでもまだ面白い。そして、神保町に泊まり込んで古本を買いまくるという「夢」をまた思い出す。これからでも遅くない。そしてPASSAGEの棚主になっている今はその夢以上の境遇になっていると思う。まさに夢心地。
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荒俣宏の「無口な書店さすらい人」は初めて読んだ。「すべての本は五年探せば手に入る」は至言。これをPASSAGE棚主としての経験から言い直すと「すべての本は五年棚に置けば売れる」となる。
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山崎ナオコーラの「書店は私も大好きだ」もいい。「書店員さんが何度も整えたに違いない棚からは、力が放たれている」というくだりはすべての書店員にパワーを与えるだろう。
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島田潤一郎の「小さな本屋さんで、すべてのジャンルをブラブラ見る。そうすると、満足感がある。また明日も本屋さんに寄ってみようと思う。」はすべての読書好きが首肯する言葉だろう。この「啓文堂書店桜上水店」という随筆で、この本は終わる。
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暑いなかだが、本屋めぐりを手軽に楽しむならPASSAGEの各店舗がおすすめ。棚主という書店主がよりすぐった本を多数の棚(店)に並べてあるからだ。
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