BOOKS HIRO通信 第174号
(1)みなさまこんにちは
ALL REVIEWSの書評講座第2回を視聴した。今回講師の楠木建さんは年間300冊(お仕事の本は別にして!)読まれるそうだが、長年、読書メモを取られているそうだ。感銘を受けた部分の抜き書きが主とのこと。その部分を読んだときの感想メモも(色を変えて)書きそえるそうだ。
名書評を生み出すもととなる素晴らしい読書メモだろう。それには及びもつかないが、私もPASSAGEで棚主兼バイトスタッフ業が忙しくなる前まで、断続的ながら、大学生のころから読書ノートを書いていた。ときどき読み返すことがある。特に最後の5年ほどはブログにしていたので、ブログ内容をキーワード検索してみることがある。
たとえば、木村蒹葭堂について中村真一郎が書いた本の題名やその中でどんな事が書かれていたか、それを読んでどう考え、関連した本として何を読み、今後何を読もうと考えたかなどを2017年に書き綴っている。先週末にブログを読み返してみて、その『木村蒹葭堂のサロン』を読んで、蒹葭堂が病弱ながら養生に務めつつ、万を数える文人の客を自宅に迎えてもてなし、書籍や博物学の標本などをコレクションし、知識人の共和国を乏しい自身の財政のなかで築いたことに感動した自分を思い出した。自分もそれを目指そうと本心で思っていた。また、著者の中村真一郎の姿と木村蒹葭堂の姿を重ねて捉えてもいた。
蒹葭堂をもっと知るために、次に読むべき本もブログにメモしてあった。『蒹葭堂小傳』がそれである。古本で探したが2万2千円。諦めかけたが、国立国会図書館デジタルコレクションで誰でも読めるのに気づいた。最初のみ読んだが、時間がなく途中でやめていた。電子的積読状態。
木村蒹葭堂について、また興味が湧いたので、上記のブログを読み直し、『蒹葭堂小傳』をPCであらためてじっくり読んでみた。
高梨光司 著『蒹葭堂小傳』,高島屋呉服店蒹葭堂會,1926.11. https://dl.ndl.go.jp/pid/1881289
『木村蒹葭堂のサロン』は大部の本だったが、『蒹葭堂小傳』は100ページ前後でコンパクト。一日で読み終えた。前回は掴み損なった蒹葭堂の生涯の様子が頭によく入った気がする。次に何を読むかが難しい。蒹葭堂の蔵書の一部は「国立公文書館デジタルアーカイブ」で検索でき、足を運ぶと見ることができそうである。『蒹葭堂日記』を入手する手もあるが、高価そうだし内容が無味乾燥すぎる気もする。などと、考えているのが楽しい。
気分を変えるため、「書評」というキーワードで読書メモを検索した。好きな天文学系の本の書評は専門雑誌に当たれと言うメモがあった。そこで「天文月報」のバックナンバーサイトに行き、サイト内を「書評」で探す。いくつもヒット。実際に書評が読めるので10冊分ほど読んでみた。買いたい本がでてきた。『アストロバイオロジー』https://amzn.to/43HHZxh はアマゾンでKindle版が半額セール中。あと9日間でセールは終わる。買おうか悩む。これも楽しい。
読書メモを書いていると、当時読んでいた本の内容を思い出すだけでなく、読んで何を考えていたかを思い出せるのが嬉しい。
やはり、ここ3年ほどサボっていた読書メモを再開しようと考えた。この3年間棚主として活動しながらたくさん本を読んでいろいろ考えていたはずだが、その記憶が飛んでいる。老化のせいだけではない。毎日の地道な努力が足りない。メモを続ければ努力は快楽に変わる。楽しいのは将来の読書の糧になり、目指す読書共和国の理想に近づくからだ。
(2)現在のBOOKS HIROの棚主ページです
SOLIDA
RIVE GAUCHE
***
また来週。
すでに登録済みの方は こちら