BOOKS HIRO通信 第142号
(1)みなさまこんばんは
BOOKS HIRO通信 第138号に『評伝 開高健』(小玉武著 ちくま文庫)の読後感を書きました。SOLIDAの棚主さんの書かれた、見事な評伝です。
その後開高健を読み直したいと思って、昭和50年代に購入して読んでいた文庫本を10冊ぐらい出してみました。ところが、文字が小さく読むにはストレスを感じてしまいます。そこで、先週購入した格安の8型タブレットで、Kindle版の『開高健電子全集「闇三部作」』(小学館)を購入して読むことにしました。
8型画面のタブレットは取り回しが良く、電車内や寝床や個室などで読書がはかどります。字もかなり大きくできます。
「闇三部作」のうちわけは『輝ける闇』と『夏の闇』そして未完の『花終る闇』です。著者は三部作全体の名前として《漂えど沈まず》としたかったようです。前者二作は名声通りの秀作です。開高健の軽妙饒舌な文体が、テーマの重さ感じさせずに読ませるのです。しかし、それを書いた開高健は随分と大変だったと素人ながら感心させられます。この執筆の力技が体力を消耗させたことはまちがいありません。第138号にも書きましたが、このことと、ベトナム戦争に従軍して生死の境をさまよい、たぶん枯葉剤も浴びたことにより、早い死を招いたのでしょう。体力の消耗は『夏の闇』の主人公(著者の分身)がヨーロッパ滞在中に寝てばかりいる記述に反映されています。
開高健はなぜ、ベトナムの戦場に立ちたかったのか、これが次の読書テーマです。『ベトナム戦記』をはじめとする戦場ルポルタージュを読まないといけません。これは『開高 健 電子全集 小説家の一生を決定づけたベトナム戦争 Kindle版』を購入しないといけません。
ところで、現在お気に入りの8型タブレットのカバーを今週買いました。模様がきれいだと思い、なんの気なしに買いました。手に入れてみると良い絵が全面にデザインされてます。PASSAGEbisでの昼休みに美術に詳しいアルバイト仲間に鑑定してもらったら、ゴッホの『花咲くアーモンドの木の枝』という絵をモチーフにしたデザインでした。さすが、ゴッホ。
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また来週。
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