BOOKS HIRO通信 第140号

RIVE GAUCHEで入手した『フロンドの乱とマザリナード』で読書と棚主の醍醐味を味わう
hiro 2025.03.22
誰でも

(1)みなさまこんにちは

先々週終わりに、PASSAGE RIVE GAUCHEの書棚「マザリナード・プロジェクト古書部」から、『フロンドの乱とマザリナード』を購入し、2週間にわたるPASSAGEなどへの行き帰りに読み終えました。

この本がどういう本かについては、浅学非才の私が書くよりも、「マザリナード・プロジェクト古書部」の棚主ページ👇️のなかのこの本の解説を読んでいただきたいです。

フロンドの乱については名前しか知らなかったし、マザリナード文書とは何かについては全く知らなかった私が、この本を手に取るきっかけは、昨年8月の「月刊ALL REVIEWS 一丸 禎子×鹿島 茂、一丸禎子『フロンドの乱とマザリナード』を読む」を視聴したことです。しかしそれ以来今月に至るまで、この本は多分難しいだろうと、RIVE GAUCHEの棚では何度となく本の存在を確認し気にはしながらも、購入に至りませんでした。

半年たって、やっとこの本を入手できました。

実際に読んでみてまず驚いたのは、著者、一丸禎子さんの簡潔・明快な文章です。(一丸禎子さんはこの書棚の棚主さんで何度か対面でお話も伺っています。棚主同士でもありスタッフとしてサポート出来ている特権、幸せです。)

ともかくその文章の読みやすさ・面白さで、この本がどんどん読めてしまうのに驚きました。SNSの文章のように短く、それでいて明快な文章が連なっている、そんな書き方が効果を上げていると思いました。お固い内容なのに面白く読めてしまう素晴らしさ。時代も内容も形式もかけ離れていますが、寺田寅彦の随筆に文章を読んだときの感触が似ています。

楽しく読めたわけはもう一つ、かなり前に熱中して読んだ、デュマの『三銃士』の時代背景がこの本の時代と一致していました。アンヌ王妃やリシュリューやマザランなどを「知って」いたのが良かったのです。これはデュマと当時の私に感謝しなければなりません。

1648年から1653年のフランスで、現在のSNSにおとらぬ(それ以上の?)規模でマザランへの誹謗・中傷や擁護などの論戦が行われていた、しかもその「マザリナード文書」が世界中に数多く残っているというのは驚きです。それ以上に、その文書のかなりの部分が東大駒場にある(バブルのおかげで買えた)のも驚きです。極めつけはそれら全世界のマザリナード文書を一丸さんたちがコーパス化つまり、誰でもアクセスできるようにデジタル化しているのが最大の驚きです。壮大な試みです。

この『フロンドの乱とマザリナード』を読むと、デジタル化され語彙検索可能にされたマザリナード文書サイト( mazarinades.org )に行ってみたくなります。実はすでに何度かアクセスしてみました。私には「猫に小判」かも知れませんが、「門前の小僧習わぬ経を読む」の精神です。

そして、電子版『マザリナード探求』も読みたくなります。安いのですぐにでも手に入ります。

これらを読むことで、いま現在の世界で行われているSNSによる論争の真の意味を俯瞰して理解できそうです。17世紀のフランスの政治状況も出版状況などもわかりそうです。知的好奇心がそそられ、アドレナリンが出てきます。読書の醍醐味がここにあります。

(2)現在の私の棚主ページです

SOLIDA

RIVE GAUCHE

来週の予定。

日曜日と火曜日(PASSAGE)、水曜日(RIVE GAUCHE)でバイトスタッフ勤務です。

青熊書店にもまた行きたい😇

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