BOOKS HIRO通信 第98号

『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)――遊行期老人(私)による個人的読後感
hiro 2024.05.24
誰でも

(1)みなさまこんばんは

最近、こんなブログ記事を書きました。

国会図書館デジタルコレクションの絶版本に関する内容充実が素晴らしいので、

・「読みたい」 あるいは
・「すでに読んだ本だが手軽に参照したい」

こんな本たちを、すぐにアクセスできるように、リストにしました。このリストの項目は、国会図書館デジタルコレクションを私がパソコンを使って遊弋するたびに増えていきます。

現在の私は、PASSAGEでのバイトスタッフ勤務の無い日(週3日勤務なので4日間)は、PASSAGEなどで買い求めた本を読むのに3日、本屋さんや近所の図書館、国会図書館デジタルコレクションに行って本を探すのに1日、費やしています。

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1970年代のはじめ、大学を卒業したときに、私がもっとも困ったのは、いつでもアクセスできて好きな本や論文が読める大学の図書館という環境を失ったことでした。

どうしても読みたい本は買ったり、借りたりして(当然)読むわけですけど、眼の前にあるていど大量の本がある環境というものは重要です。ある本を探すときに他の本が眼に飛び込んで来て読書範囲が広がるからです。

しかし私のような貧しい一個人の力ではそんな環境は作れません。

20年以上たったころ、インターネットが普及しはじめ、多くの本がCRT越しにせよ読めるようにりました。これは大げさに言えば福音でした。それ以来、実際の本屋さんや街の図書館の書棚の前で感じるワクワク感を、パソコンの前でも味わうようになりました。

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人生の「林住期」ともいうべき定年後には、好きな本を自宅でいろいろな手段で好きなだけ長く読めるようになりました。国会図書館デジタルコレクションはそのなかで最良の手段です。昔読んで感動した本を読み返し、それに関連した本を(いろいろな手段で)探して読むという快楽を思う存分味わいました。

後期高齢者になり、「林住期」はそろそろ過ぎようとしています。これからは「遊行期」です。自分の思うままに新しい本も読み、本を読む楽しみを皆に伝えることを、楽しくときには無軌道にやろうと思います。PASSAGEの棚主であり、スタッフでもあるという今の立場はそれには最適だろうと認識しています。

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昨日読み終えた『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』の内容が、上記の文章に大きく影響しています。

「半身」で働き、あとの「半身」で好きなこと、つまり私の場合少しでも多くの本を読み読むことの快楽をひとに伝えること、を行うべき、という、著者の三宅香帆さんの結論には全面賛同です。

ご参考:三宅香帆さんはSOLIDAの棚主さんでもあります。

(2)現在の私の棚主ページです

来週の私のバイトスタッフ勤務は、日曜日、月曜日、水曜日です。いずれもPASSAGEです。

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