BOOKS HIRO通信 第203号

『シュークリームとひじき』は牧はる子さんの痛快な奮闘記
hiro 2026.06.13
誰でも

(1)みなさまこんにちは

PASSAGE RIVE GAUCHEの棚主さんの牧はる子さんのご著書、『シュークリームとひじき』(ワック株式会社刊 2022年)を読んだ。痛快至極な本。そして、こんな素敵な方が今でもパリに元気で住んでいらっしゃるのに驚いた。棚を開設なさる際に少しだけお話を伺ったことを思い出す。柔和な感じを受けたが、持ってこられた本がこんな素晴らしいとは夢にも思わなかった。自分の不明を恥じるのみ。

「洋菓子のヒロタ」の創業者の娘として生まれ、上皇后陛下(元気で優しい「自治会長」として登場)の同級生として学生時代を終わったあと、パリ進出をねらった父親による責任者としての指名により、経営も未経験、海外も未経験のまま現地に飛び込む勇敢な姿にまず感動。父親譲りなのだろうか、必死だがどこかに余裕とユーモアのある店舗経営手腕でシュークリームだけでなく和菓子もパリで評判となる。

そこに満足することなく、お惣菜屋(おかめ)も創って、成功させる。他の誰も想像がつかないことを成し遂げているので、これはすごい。本ではご苦労のすべては語っていないが、大変な苦闘と努力があったものと思える。人徳なのだろう、著者をサポートする人にも恵まれていた。なにより苦労を読者に直接にはあまり感じさせない、軽快な語り口で、楽しく読める体験記だ。

あとがきは磯村尚徳が書いており、「おかめ」のさつま揚げに心酔していたことを述べたあとで、「パリと京都をバックボーンとした著者のエスプリ」に賛辞を送っている。

パリでも京都でも、本物の仕事をする人には、周りの尊敬がおのずと集まると言われているらしいが、著者の姿はその大きな証左であろう。

著者の姿をこの本を読んで想像すると、自然と、生きて頑張る勇気が湧いてくる。著者は私の長姉と2つ違いで、私より15歳年上だが、これからも矍鑠と棚主を続けていただきたいものだ。

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また来週。

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